■白い嫉妬 其の二


「君の保護者クン、心配してるんじゃない?」
「・・・ヤキモチ、焼いてくれるかなぁ。」
そんな風に、いつも素直でいればいいのに。(素直か。あの頃の俺に、もう少しだけそんな心があったら、変わっていたかもしれない・・・。)
まだ幼かったあの日、美しい女を見た。鏡台の前で、髪を梳かす手を止め、泣いていた。睫からはらはらと涙が落ち、声をたてることさえ忘れてしまっているようだった。・・・その人がバタ子さんだと気が付くのに時間が掛かった。普段の俺たちは、明るく働く彼女しか知らなかったから。なぜ泣いているのか知りたかった。どうにもなるはずは無いのに。


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